加齢黄斑変性(AMD)

リーダー:佐藤拓

メンバー:堀内康史、渡辺五郎、森本雅裕、松本英孝、高橋牧、向井亮、羽生田直人、須藤功治、袖山博健、広江孝

コンセプト

加齢黄斑変性(AMD)は先進国において失明の主原因であり、アメリカでは中途失明のトップとなっています。当科にも2008年でのべ5014人のAMD患者さんの来院があります。AMDグループではこの加齢黄斑変性を早期に発見し早期治療が行えるよう、啓発活動を始め、この疾患の診断に必須である造影検査(フルオレセイン蛍光造影、インドシアニングリーン蛍光造影:高解像度共焦点レーザー走査型)や光干渉断層像検査を始め、眼底自発蛍光など、その新知見の究明、診断技術の向上を目指して日々活動しています。

また治療法としてレーザー光凝固術、光線力学的療法や新生血管治療薬の硝子体内注入などがありますが、その治療成績の向上を目指し、治療方法のより良いあり方と患者さん個々人に合わせたテーラーメード医療を模索し、国内外の学会に積極的に発表しています。

なお2008年度はPDT施行件数が343件でした。治療はPDT研究会が定めた資格を満たす認定医が施行しています。当科はAMD患者数が多いことが国内外に知られており、治験薬(日本国発売前の新薬)の臨床試験にも多く携わっております。主な対象疾患を以下に示します。

対象疾患

加齢黄斑変性症、中心性漿液性網脈絡膜症、近視性新生血管黄斑症、網膜色素線条、特発性脈絡膜新生血管黄斑症、白点症候群(多発消失性白点症候群、急性帯状潜在性網膜外層症、Punctate Inner Choroidopathy:PIC)、その他脈絡膜新生血管を生じる疾患など

患者さんへ

水曜・金曜日が加齢黄斑変性の患者さんの専門外来で、造影検査、光干渉断層計(SD-OCT)、眼底自発蛍光などの機器を用い正確に病態判定を行い、治療方針を決定しています。

加齢黄斑変性とは

加齢黄斑変性はものを見る網膜の中心部=黄斑に、新生血管という異常な血管ができ、出血やむくみをきたす疾患です。視野の中心部が見えづらくなるのが特徴で、視力低下や変視症が起こります。

欧米先進国では失明原因の第1位で、日本では現在4位となっています。50歳以上の人に多く発症し、日本人では50歳以上の人口の約0.9%(100人に1人)が罹患していて、増加傾向にあります。

放置すると視力は次第に低下し、90%以上が矯正視力0.1以下になります。治療に抵抗性で再発の多い疾患ですが、近年さまざまな治療法が開発されています。

検査

  • 眼底写真:黄斑部の写真を撮影し、病変の範囲や出血の量などを評価します。
  • 光干渉断層計(OCT):黄斑部の断層写真を撮影し、網膜のむくみや新生血管の政情を評価します。
  • 蛍光眼底造影検査:造影剤を注射して黄斑部の写真を撮影し、病変の範囲や活動性を評価します。

治療

光線力学的療法
光感受性物質を注射し、その後に弱いレーザーを照射します。正常網膜への障害を最小限に抑え、新生血管を特異的に退縮させる治療法です。レーザー照射範囲を決定するために、治療前に蛍光眼底造影検査が必要です。
抗新生血管薬の硝子体内注射
新生血管の発生・拡大には血管内皮増殖因子(VEGF)が関与していることが分かってきています。
抗VEGF薬(ラニビズマブ:ルセンティス(R)、ペガプタニブ:マクジェン(R)、ベバシズマブ:アバスチン(R))を硝子体内に注入することによって、新生血管を退縮させる療法です。

当科では、治療回数を減らし、患者さんの負担を少なくする目的で、これらの併用療法も多く行っています。